Amahl and The Night Visitors
by
The Osaka Chamber Opera Theatre
Ken Tomioka, Music Director and Conductor
Christmas 2001
大阪室内歌劇場設立第1回記念公演
茨木春日丘教会オペラシリーズ第1回
安藤忠雄の「光の教会」で、胸に響くクリスマス・オペラ
キャロル&プロローグ「三人の王様」
G.C.メノッティ:
室内オペラ制作集団「大阪室内歌劇場」の旗揚げ公演が、安藤忠雄さん設計の「光の教会」として知られる、大阪・茨木春日丘教会で行われた。公演は5日間行われ、すべてが満員となる、大成功のスタートとなった。(読売新聞夕刊2001年12月21日) |
茨木春日丘教会(光の教会)外観
Photo:安藤忠雄事務所
茨木春日丘教会 教会堂
Photo:安藤忠雄事務所
表現する場所を劇場に限定しないことで、既成の演出手法を超えた新しいオペラを作りたい
この祈りの場で、音楽を作りたい
指揮: 富岡 健 (リハーサル)
100平方メートル余りの礼拝堂では、演技スペースも満足にとれないし、
演奏家たちも、礼拝堂の最後部に陣取るしかない。
天上の歌声を聞きたいのです 茨木春日丘教会牧師 軽込 昇 救い主がお生まれになる時、天にはひときわ輝く星が現れる、そのような希望を抱いて人々は星を見つめておりました。それはロマンと呼ぶよりももっと切なる憧れでありました。人々は多くの苦しみと戦争に打ちひしがれていました。そして、東方でその星を発見した三人の王がその星を目あてに遠い旅に出たのは2000年も前のことです。 三人の王は博士とも賢者とも言われます。三人というのは、当時知られていたアジア、アフリカ、ヨーロッパの三大陸を代表するからです。三人の王がなんとかして、救い主にお目にかかりたかったのは、ひたすらに平和を願っていたからだと思います。この世に平和を打ちたてるまことの王を求めていたからです。 どれほどのつらい旅が続けられたことでしょうか。聖書は彼らが星に導かれてベツレヘムで救い主にお目にかかり、持参した黄金、乳香、没薬を捧げたと記しています。きっとそのとき、彼らには天使の歌声が聞こえたことでしょう。「神に栄光、地には平和」と歌いかわす天上の音楽が。 わたしたちの願うことも、「神に栄光、地には平和」です。今年は、いつにもまして平和を求めて祈り合わなければならないクリスマスです。三人の王たちも聞いたはずの天上の歌声をわたしたちも今、ここで聞きたいのです。 「茨木春日丘教会でオペラを」と聞いて心が躍りました。同時に厳粛な思いにも満たされたのでした。この教会堂でどのように歌声が響き渡るのだろうか。わたしは、アマール母子の小屋に居合わせたものとして、三人の王たちの歌声と母子の歌声に耳を傾けたいと思います。
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Carol and Prolog
The Stories of Three Kings
光の十字架が印象的だった大阪室内歌劇場の「アマールと夜の訪問者」(読売新聞)
Amahl and The Night Visitors
お母さん、見てごらんよ、美しい星空に光の馬車のような大きい星が、尾を引いているよ。
もう売り払うものはなにもないのよ…。少年の母親は、貧しさに打ちひしがれています。
僕が角笛を吹いて人々から施しを受けて暮らせばいい、夜は羊たちと一緒に眠ればいいじゃない。
身体の不自由な羊飼いの少年アマールは、そう言って、母親を明るく励まします。
寒い夜。輝く星に導かれて旅を続ける三人の王様と従者が、一夜の宿を求めます。
バルタザール王:松森 治っmカスパール王:竹内直紀っmメルヒオール王:横田浩和
星が教えてくれるバラ色の幼子を知りませんか、その手には海と風を持ち、
足には月と星を踏まえ、天使の声が大空に満ちている、そんな幼子を知りませんか。
多くの制約を逆手にとった演出が次々と生まれた。100席の座席の真ん中を通る1本の通路を演技スペースに組み入れることで観客との一体感を生み出した。装飾や演技は極力そぎ落とし、緊張感へとつなげる一方で、コンクリートの壁面を切り取って形作られた十字架を舞台装置の一つとして印象的に使った。…アマールの足が治るというクライマックスでは、照明を屋外から壁面に向かって当て、光の十字架を浮き彫りにすることで、奇蹟の荘厳さを表現した(読売新聞) |
踊り:二瓶真由子
母親は、王様たちが持つ宝物にびっくりし、黄金に心を奪われてしまいます。
こんな宝が少しでもあったら、いまの辛い暮らしから抜け出して、
息子のためにどれほどのことをしてやれるでしょう。
彼女はわずかばかりの黄金を盗もうとして、従者に見つかってしまいます。
アマールは王様たちに許しを請い、母に取りすがって泣きます。
三人の王様は、母親を許し、その罪をとがめもせずに言います。
奥さん、その黄金をお持ちなさい。私たちの探し求める幼子には、その黄金は不要でしょう。
その方は、人々の心の中に輝きをもたらすためにお生まれになった神の御子なのですから。
母親には、その幼子に差し上げるものがなにもない。
アマールは、松葉杖を捧げものにしようと、王様に歩み寄る。
お母さん、ほら、歩ける、歩けるようになったよ!
近くに響く歌手の声、光の使い方が美しかった。シンプルだけれど、ロマンチックですてきだった。
読売新聞より、新納京子さん(53)
美しいメロディに彩られた小さな心暖まる物語「アマールと夜の訪問者」
幼い頃あこがれた、あのクリスマスの夢がなつかしくよみがえります
奇しくも作曲者ジャン・カルロ・メノッティ生誕90年 作曲・初演50年を記念する2001年
大阪室内歌劇場による第1回クリスマス公演でした
お母さん: 野村由美 っっっっmアマール: 太田智子
ご支援ありがとうございました。
■公演: 2001年12月12日・13日・14日・15日・16日
■会場: 茨木春日丘教会(光の教会)
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キャスト・スタッフ
アマール: 太田智子
お母さん: 野村由美
三人の王:横田浩和・竹内直紀・松森治
従者:清原邦仁
以上、ダブルキャストのA組(この写真集はA組のみなさんです)
アマール: 田中希美
お母さん: 清水芳子
三人の王様: 井場謙一・冨岡順一郎・周 江平
従者:萬田一樹
以上、ダブルキャストのB組
踊り:二瓶真由子
管弦楽:大阪室内歌劇場アンサンブル
合唱:大阪室内歌劇場合唱団
コレペティトール:富岡潤子・石原光世・左成洋子
演出:渋谷文孝
照明: 松浦眞也
衣装: 大久保博子
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イラストレーション・テキスト・デザイン・三人の王様 脚本:熊本幸夫(クラシック・ハウス)
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協力
日本キリスト教団 茨木春日丘教会
Special Thanks to:
牧師 軽込 昇
宮本二美生(茨木春日丘教会)
茨木春日丘教会のみなさん
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音楽監督・指揮・総合プロデュース: 富岡 健
主催: 大阪室内歌劇場
観客と喜びや悲しみを共有するという、グランド・オペラでは味わえない喜びを実感できた。
今後は、同教会を含めて様々な公演の場を求めて、
創作オペラを含めた室内オペラのレパートリーを開拓していきたい。
…富岡 健 (読売新聞より)
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このたびの公演では、
音楽、美術、文学に、建築の芸術性が加わるコラボレーションが実現しました。
大阪室内歌劇場は、創造的なオペラ制作集団です。
若手の優秀な歌手を積極的に起用し、実践の場を新進演奏家に提供するとともに、
制作集団として、スタッフがそれぞれの専門分野における創造的な表現を目指します。
室内オペラという表現のスタイルを基本に、
劇場、舞台を問わず、あらゆるドラマ空間で
上質の、創造的なエンターテインメントを演出、提供することに意欲を燃やしています。
大阪室内歌劇場の次回、新たな挑戦にご期待ください
依頼公演も制作をお引き受けします。
どうぞお気軽にご相談ください。
Website
大阪室内歌劇場
E mail
大阪室内歌劇場事務局
〒534-0025 大阪市都島区片町2-7-7-603 NPO法人音楽の恵みネットワーク気付
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